「見た目がいい精子なら妊娠する」はずが…

不妊の原因が女性ではなく、詳しく調べて行くと実は男性側に原因がある事も多いという、

読売新聞オンライン・ヨミドクターの「精子に隠された不都合な真実」というコラムのシリーズが興味深いです。

女性不妊に関しての情報はウェブ上にもたくさんあるのですが、男性不妊にフォーカスしている情報は余りないので紹介させて頂きます。

一般的な精液検査は

  • 精液量
  • 濃度
  • 運動率
  • 正常形態

の項目です。

上記の項目をクリアして不妊治療を行なっているのになかなか妊娠せず、更に詳しく調べて行くと精子に不妊の原因があるパターンも多いそうです。

1匹の精子を卵子に注入する顕微授精では通常、頭部が楕円形で、元気に動いている精子(業界では、これを良好精子と呼ぶ)を選びます。ところが、そのような見た目の良い精子にも様々な異常が潜んでいることがあり、顕微授精は、その問題に対処できていないのが現実です。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20191008-OYTET50010/?catname=column_seishi-shinjitsu

詳しい内容は記事を読んで頂くとして、普通の検査で問題が無い様に見えたとしても、DNAの損傷が合ったり、細かいところで欠損していたりで不妊の原因となっているそうです。

つまりよくある精液検査では、「見た目や量は問題ないけど、妊娠出来るかどうかはわからない」という事です。

また精子提供でも興味深い記事がありました。

提供者のみなさんは、精子の見た目が良好であるからこそ選ばれたのですが、すぐに予定の妊娠数に達して卒業する、妊娠させる力が高い方と、なぜか、いつまでたっても妊娠例が出てこない方がいました。

私たちの研究室に、東南アジアから留学で来ていた婦人科医にその話をしたところ、彼も母国で精子提供を実施しており、以前は未婚男性を提供者にしていましたが、すでに複数の子どもがいる、すなわち妊娠させた実績がある既婚男性の精子を使うと「当たり外れがない」と話していました。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20191003-OYTET50011/?catname=column_seishi-shinjitsu

若くて精子の検査結果が良いドナーよりも、妊娠実績が多数ある既婚者の精子の方が「当たり外れがない」らしいです。

確かに若ければ精子の状態も良さそうですぐに妊娠出来そうですが、実は妊娠力のない精子かもしれません。

妊娠出産について調べて行くほど、また提供活動をしていて思うことは、
妊娠出産は「当たり前の事」ではなく、「奇跡の連続」なんだなと思わずにはいられません。

精子提供を受けようと考えられている方は、
精子提供者の見た目や人柄、身長等遺伝的な事も大事ですが、妊娠出産の実績があるのかどうか
も確認された方が良いと思いました。
妊娠力のない精子の提供を受けても、提供を受けられた方の頑張りが無駄になってしまいます。

出来れば過去に妊娠出産実績がある程度ある方をお勧めします。